ニューヨークを拠点とする社会学者。現在 ニュー・スクール大学大学院社会学部 Walter A. Eberstadt 記念講座教授。University Senior Fellow. 同大学社会学部学部長、同大学社会変動研究所所長など歴任。 プリンストン高等学術研究所(IAS)、学際研究プログラム研究員も務める。 歴史社会学者として、日本社会を比較文明的ネットワーク論的に見直す仕事で知られる。近年は仮想社会の研究にも力を入れ、感じかた見かたのマイノリティとしての自閉症スペクトラムの人々との仮想空間(メタバース)での自由な交流を描いた書き下ろし [ハイパーワールド:共感しあう自閉症アバターたち(NTT出版)で ニューロダイバーシティ(神経構造の多様化が、社会全体にとってプラスになる)との考え方を紹介した。専門分野は歴史社会学、経済社会学、ネットワーク論、文化社会学、仮想世界論、創造性論。
お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業後、日本経済新聞社記者勤務。その後筑波大学大学院地域研究科修士課程修了。フルブライトプログラムにてハーバード大学社会学部博士課程へ留学。1989 同大Ph.D.取得 イェール大学大学院社会学部助教授、准教授として10年教鞭をとる。プリンストン高等研究所社会科学部研究員(メンバー)、ニューヨーク公共図書館カルマンセンターフェロー なども歴任。2001年全米社会学会歴史社会学部会会長に選出された。 国際交流基金American Advisory Board 委員を務めるなど、日米双方でのキャリアを通じの国際交流に尽力。講演活動は国際交流基金/外務省の招請でペルー、メキシコ、チリ、アルゼンチンなどほか ヨーロッパ各国、インド、ネパールなど世界各地でも。
著書に日本文化をグローバルな文明的史観から分析した『名誉と順応――サムライ精神の歴史社会学』や『美と礼節の絆――日本における交際文化の政治的起源』(共にNTT出版)がある。いずれも原著は英文で欧米の高名な出版社で査読出版された。「名誉と順応」の原著“The Taming of the Samurai:Honorific Individualism and the Making of Modern Japan” (ハーバード大学出版会) は、日本語のほか(邦訳:森本醇)、スペイン語、ポーランド語、韓国語、中国語などに翻訳され、世界中の大学で使われている。 また「美と礼節の絆」の英語版"Bonds of Civility: Political Origins of Japanese Culture" (ケンブリッジ大学出版会)は全米アジア学会ジョン・W・ホール著作賞、全米社会学会ベスト文化社会学賞、政治社会学卓越著作賞、The Mirra Komarovsky Book Awardなど5つの賞を受賞している。
2007年より全米科学財団(NSF)などの助成金を得て仮想空間の研究にも参入。障害者と仮想空間の研究でヘルスケア関連で権威のあるジョンソン財団賞も受賞。仮想空間での自閉症スペクトラムの人々との出会いから、自閉症を脳の不思議への扉として[ハイパーワールド:共感しあう自閉症アバターたち](NTT出版)「自閉症という知性」(NHK新書)を出版した。近刊に、「江戸とアバター:私たちの内なるダイバーシティ」がある。「ハイパーワールド」刊行後、NHKがその全米研究旅行に同行し,取材したドキュメンタリーが、2回にわたり放送された。 現在、意識の学際的研究拠点、として発足した YHouse Inc. (ニューヨーク)の創立者の一人。千葉工科大学 「変革センター」の客員研究員。
STARBOARD VISION 社(米国)CEO。多様性とイノヴェーション、メタバースコミュニケーション、サスティナビィリティと教育などについて、SDGs 啓蒙活動やコンサルティングにも従事している。
Bio: English http://www.newschool.edu/nssr/faculty/?id=4e54-6b32-4e67-3d3d
(Image © Nerissa Escanlar)